2024/08/21 11:41
企業の決算を分析する際の優先順位や手順について、以下のようにまとめました。
財務分析の目的は、企業の改善点を見つけ、事業の継続や展開、撤退など将来的な発展に役立てることです。
財務分析は、企業の「何を知りたいのか」という目的によって様々な指標、計算式が用いられます。
決算書とは、1年間の会社の「健康診断書」と「成績表」のことであり、「財務諸表」とも呼ばれ、
「貸借対照表」、「損益計算書」、「キャッシュフロー計算書」のいわゆる「財務三表」のことを指します。
企業分析は主に【収益性】【安全性】【成長性】【効率性】に分かれます。
◎企業の【収益性】を分析する方法について、以下の手順で説明します。
収益性分析とは、企業がどのくらい効率よく売上や利益を上げているのかを分析することです。
売上高総利益率は、売上総利益(粗利)が売上高の何%あるのかという指標で、粗利率とも呼ばれます。
自己資本利益率(ROE)は、自己資本に対してどれくらい利益が出ているかを表す指標です。ROEは自己資本を操作することで数値をよく見せることが可能です。
よって、より正確な分析を行うためにROICを確認すると良いでしょう。
◎企業の決算における【安全性】の分析方法について、以下の手順で説明します。
安全性分析とは、企業の経営の安定性を決算書の内容から分析する手法のことを言います。
流動比率は、流動資産の流動負債に対する比率を示す指標で、短期的な企業の資金繰り状況を示す指標とされています。
株主資本比率は、総資産の額に対する株主資本の割合を計算したものです。
◎企業の決算で【効率性】を分析する方法について、以下の手順で説明します。
効率性分析とは、企業が資産や資本をどれだけ効率的に運用し、事業活動をしているかを分析する手法です。
効率性分析は、総資本回転率、売上債権回転率、棚卸資産回転率、仕入債務回転率といった指標を用いて、
企業の財務状況を分析します。
効率性分析を行う際の注意点として、業界による指標の違いを考慮することが重要です。
主要な指標、効率性分析では、以下の4つの指標が主に使用されます。
総資本回転率: 企業の総資本がどれだけ売上を生み出しているかを示す指標。
売上債権回転率: 売上債権の回収効率を示す指標。
棚卸資産回転率: 在庫の回転速度を示す指標。
仕入債務回転率: 仕入債務の支払い効率を示す指標。
企業の決算で【成長性】を分析する方法について、以下の手順で説明します。
成長性分析の定義: 「成長性分析とは、企業がどれほど成長し、業績が伸びているのかを分析することです。」
必要な要素: 「成長性分析に必要な6つの要素:売上高、経常利益、営業利益、総資産、純資産、従業員」
使用する指標: 「成長性分析で使用する10の指標:売上高増加率、経常利益増加率、営業利益増加率、総資本増加率、純資産増加率、従業員増加率、一株あたり当期純利益(EPS)、新規顧客増加率、顧客単価、労働生産性増加率」
成長性分析の定義を理解する: 企業の成長度合いや業績の伸びを評価するための分析手法であることを確認します。
必要な要素を特定する: 売上高、経常利益、営業利益、総資産、純資産、従業員の6つの要素が成長性分析に必要であることを確認します。
使用する指標を選定する: 売上高増加率、経常利益増加率、営業利益増加率など、10の指標を用いて多角的に分析します。
これにより、企業の成長性を多角的に評価し、将来の安定性や拡大性を判断することができます。