2024/06/22 22:29

 QT(量的引き締め)とQE(量的緩和)は、中央銀行が経済政策に用いる異なるアプローチです。

1. QE(量的緩和):
   - 量的緩和(Quantitative Easing)は、中央銀行が市中銀行から国債や手形などの資産を購入し、市中銀行の当座預金残高量を拡大させて金融緩和を行う政策です。
   - 通貨量増加により金利を押し下げ、リスク資産の価値を相対的に高めます。

  - QEは金融市場に対する効果がありました。具体的には、金利を下げ、株価を上昇させ、流動性圧力を緩和しました。
  - しかし、現在は金融政策の効果が限られており、資産バブルが生じるなど副作用の懸念があります。
  - QEは通貨量のコントロールによる金融緩和を行います。

2. QT(量的引き締め):
   - 量的引き締め(Quantitative Tightening)は、経済の過熱やインフレを抑制するために中央銀行が実施する政策です。
   - 保有する金融資産の売却や再投資の停止により市場から流動性を減らし、金利を上昇させます。

   - QTは逆の効果を持ちます。資産を圧縮し、通貨量を減少させ、金利を引き上げます。
  - これにより、リスク資産への投資が抑制される懸念があります。
  - 主要国の中央銀行がQTを進めている中で、市場への影響に注目されています。

このように、QEは経済刺激を目的として行われ、QTは経済の冷却を図るために採用されます。

世界的な金融政策の転換点として、QTの影響を慎重に観察していく必要があります。